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日記: 第4話「生きる。」

Updated: Jun 21, 2022


<私がなぜトリマーを目指し、トリマーになり、紆余曲折の末、開業という現在に至ったのかを振り返る、超超個人的日記ブログです。>


大学病院で検査をした際に使用した麻酔で、目が覚めて待合室に帰ってきたCOCOはすでに具合が悪そうでした。


検査前にはかかりつけ獣医師からも、大学病院でも、

「身体が小さいため麻酔の量が難しく、麻酔の後遺症が出る可能性があるし、最悪死んでしまう場合もある」

と説明がありました。

当時のCOCOの体重は1.8㎏。

やはり、検査しない方が良かったのかもしれない。。

待合室でずっと吐き気が止まらず苦しそうな愛犬を見て、ごめんね、ごめんね、と謝りました。

帰宅してからも水を飲んでは戻し、なんとかペースト状のフードを食べるも数分後には戻し、下痢も止まらず。。

明らかに脱水症状となり、夜間救急へ行き、栄養補給と水分補給に皮下注射をしてもらいました。


翌日かかりつけ病院でも診察してもらい、再度皮下注射をしてもらうことに。

その頃にはフラフラで自力で立つことも難しい状態。。

その後、水分も口にできなくなったCOCOは、入院。

24時間点滴。

目は開いているものの反応は鈍く、息をするのがやっと。

横たわり、苦しそうに全身で息をしている姿を見て、毎日、ごめんね、ごめんね、と謝りました。

入院して1週間経っても、COCOの症状は回復が見られず。

日に日に痩せていき、あばら骨が浮くほどに。


ああ、このまま私のせいで死んでしまうんだ。。

そして、ある夜の面会。

その日はまだ面会に来ていない人が一緒にいました。

仙台に単身赴任中の父でした。

「COCOちゃーん、どうしたのー?」

父が入院室に入り声をかけると、それまで寝ていたCOCOが頭を上げ、立ち上がると、ヨロヨロと自分で部屋から出てきました。

COCOは父が大好きで、父が単身赴任になってからというもの、父に会えないさみしさから玄関で遠吠えをするまでになっていました。

お父さんだ!

COCOの短い尻尾はうれしそうにブンブン振られ、父の膝へ飛び込みました。

「あれ?COCOちゃん、ごはん食べてないの?」

COCOの部屋の隅には、口をつけていないドライフードが入ったお皿が置かれていました。

父がフードを一粒手に取りCOCOの鼻へ近づけると、匂いをかぎ、口先にくわえ、なんと食べ始めるではありませんか。

一粒、一粒、と食べ、しまいにはお皿から直接ガツガツと食べ始め、あっという間にほぼ完食。

家族、獣医師、みんな唖然。。

獣医師「これだけ食欲があったら大丈夫ですよ!もう退院できます」

え、いいんですか。。

そのまま退院できることになりました。

家に帰ってから食欲も戻り、徐々に体力も回復。

しかし、おてんばで賑やかだったCOCOの性格は、なんだか少し変わっていました。

いつもワンワン吠えていた玄関チャイムには全く反応せず、ぐいぐい引っ張っていたお散歩も横について歩くように。。

きっと入院中、三途の川が見えた時に、戻れたらちゃんと良い子にします!と誰かと約束したのかな?と思っています。

退院して数日後、きれいにしてあげようとシャンプー。

が、タオルで拭いていると背中辺りの皮膚に違和感。。

背骨から横、5~6㎝大の楕円形に皮膚がずるりと滑り剥がれはじめました。

「え、何これ。。」

病院へ連れていくと、脱水症状で皮下注射した際の水分がうまく身体に吸収できず、皮膚と筋肉の間で腐ってしまったのでは…とのこと。

その日から毎日家で、皮膚が剥がれてえぐれた傷口を洗浄し、膿を拭い、薬を塗り、ガーゼをかえる日々。

どこまでCOCOにかわいそうな思いをさせなければいけないんだ。。

毎日泣きながらガーゼを交換しました。

しかし、消毒中のCOCOは痛がる素振りは一切見せず、ガーゼ交換が終わるまでの間、健気にじっと待っているのです。

絶対に傷口は痛いはずだし、暴れまわりたいくらい染みるはずなのに。

そんな姿を見て、さらに涙が出てきてしまいます。

傷口も良くなり、元気になったCOCOは、不思議なことにそれから一度も水頭症の発作は出なくなりました。

もう症状はおさまったのかも?

そんな日々を過ごしていると

2011年3月11日、東日本大震災が発生。

その時父は、まだ宮城県仙台市に単身赴任中でした。

つづく。


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